熊野筆と私達の歴史

我が社の歴史は熊野町の筆作りの歴史と深い関係があります。

今から約180年前(江戸時代の末期)に、熊野町の若者達が近畿地方に筆づくりの技術を学びに行き、または技術者を熊野に招いて、筆づくりの技術習得に励みました。また同じ頃、広島藩の工芸の推奨により全国に筆の販売先が広がり、熊野町の筆の生産と販売体制が確立しました。

我が社の筆づくりの租である城本保兵衛(現社長の高祖父)が1869年(明治2年)に毛筆職人となり熊野町で筆づくりを始めました。
初代城本穣一は1881年(明治14年)1月に熊野町で初めて「筆結」(筆の製造・販売業者)として広島県庁から「鑑札」(ライセンス)を頂戴し、公式に「城本商店」という会社として筆の製造および販売を開始しました。それ故に1881年1月は我が社の創業年です。(今年で創業137年、筆作り149年になります。)

二代目城本穣一は熊野筆の生産者の技術向上や原料の共同購入を行う為に熊野毛筆事業協同組合(熊野筆事業協同組合の前身)を創設し、初代の理事長に就任した。その子城本勝司も二代目の熊野筆事業協同組合の理事長として、代々に亘り熊野筆の発展に尽力しています。

私達は1870年(明治3年)に先祖および町の先達の筆職人の偉業に感謝して、会社の敷地内に町の人々を保護する観音堂を建立しました。
石燈篭はその当時のまま残っていますが、観音堂は1964年(昭和39年)に再建されました。

私達は常に熊野町と会社の明日の繁栄を祈っております。